ファクタリングと償還請求権

ファクタリングは迅速に資金調達を行うための手段ですが、手数料に注意する必要があります。手数料の額によっては銀行などの金融機関から融資を受けた場合の利息の方が安い場合も存在します。ファクタリングは企業が有する売掛債権を専門業者に譲渡して資金調達を行う仕組みです。手数料は当事者の数と償還請求権の有無によって変化します。

一般的に2社間契約の場合には売掛債権の10％から30％が手数料とされ、3社間契約の場合は1％から5％が手数料とされます。また専門業者に償還請求権がないと手数料は高額になります。2社間契約は企業と専門業者のみで行われ、売掛先は関与しません。売掛先は通常通りに企業に対して債務を支払います。

企業は専門業者に手数料を支払って売掛債権を売却し資金を調達します。さらに売掛先から入金された売掛金を専門業者に支払います。専門業者には企業が債務不履行を起こすリスクがあるため、手数料は売掛債権の10％から30％と高額です。3社間契約では企業と専門業者の他に売掛先の承諾も必要です。

償還請求権がない場合には売掛先倒産のリスクを専門業者が負います。2社間によるファクタリングと、償還請求権がある3社間のファクタリングでは企業自身の経営状態も審査されます。償還請求権とは売掛先が倒産した場合に企業に対して責任を追及する権利です。3社間のファクタリングで償還請求権がなければ、企業が責任を負うことがないため売掛先の信用力のみ審査対象となります。